コインランドリーに求められる立地条件
コインランドリーの経営が上手くいくかどうかには、立地条件が大きく関わっています。ただし、一般的な小売店の経営とは異なり、必ずしも駅の近くが有利とは限りません。特に地方の場合は車での来店が多くなります。車でアクセスしやすい場所に開業すれば、駅から離れていても人を集められる可能性が十分にあるのです。
以前は家に洗濯機がない単身者や学生が利用することの多かったコインランドリーですが、近ごろは主婦の利用客が増えています。量が多くて自宅の洗濯機では洗い切れない洗濯物も、コインランドリーの大型洗濯機なら一度に30キロ以上洗うことができます。これだけまとめて洗濯できるのであれば、家事の時間短縮につながるでしょう。
また、コインランドリーは布団のように大きくて自宅では洗いにくいものの洗濯に使われることもよくあります。単身世帯だけでなく、主婦層が利用しやすいコインランドリーを目指せば、集客できる可能性はより高まると考えられます。
都市部と地方における違い
都市部と地方では、コインランドリー利用客となる住民のライフスタイルが大きく異なります。東京や大阪のような都市部の場合、徒歩や自転車でアクセスできる距離に各種施設が充実し、公共機関も発達しています。単身世帯も多く、自動車の保有率はあまり高くありません。
東京都の自動車保有率は43.6%と、他の都道府県に比べて圧倒的に低くなっています。同様に大阪府では54.3%、京都府では64.0%と、都市部では軒並み自動車の保有率が低いのが特徴です。逆に地方を見てみると、長野県では94.9%、佐賀県では91.2%、富山県では94.7%というように、自動車の保有率が非常に高いのが分かります。
このような背景から、都市部と地方では求められるコインランドリーのタイプが異なっています。その地に住む方のライフスタイルから、理想的なコインランドリーを作り上げましょう。
地方におすすめのコインランドリーの立地条件は?
地方でコインランドリーを開業するなら、お客さんは車で来店することを前提に考えましょう。駐車場が広く、車でアクセスしやすいコインランドリーにするのがおすすめです。
駐車場が充実したコインランドリーは人が集まる
地方では、ほとんどのお客さんが車でコインランドリーに来るので、駐車場にはこだわりましょう。メインターゲットである女性客の中には運転が苦手な方も多いため、駐車場は広い方が喜ばれます。
また、全員が駐車スペースを守るとは限らないので、最低でも5台分スペースがあることが望ましいです。また、駐車場が店舗から離れていると大量の洗濯物を運ぶのに不便で、ユーザーから敬遠される原因になります。駐車スペースは必ず店舗の隣に設置しましょう。
近隣に商業施設があるとお客さんが集まりやすい
コインランドリーを利用するのは30~40代の女性が多いので、生活道路沿いにあるのが理想的です。スーパー・ドラッグストア・コンビニのような商業施設の傍にあるコインランドリーは、買い物のついでに利用してもらえる機会が増えます。また、ショッピングセンターの敷地内も、コインランドリーの立地として人気があります。
都市部におすすめのコインランドリーの立地条件は?
都市部の場合は、車を持っていないお客さんでも利用しやすいコインランドリーを目指しましょう。駐車場を充実させても、地方ほど効果が上がらないかもしれません。
単身世帯が多いアパート・マンションの近くは需要が高い
コインランドリーは単身世帯から需要があります。したがって、一人暮らし向けのアパートやマンションの付近に建てれば、多くのユーザーを呼び込める可能性があります。なるべく一人暮らしが多い地域をリサーチしてみましょう。ただし、半径300m以内に競合店がある場合には集客がしにくいかもしれません。
仕事帰りに利用しやすい駅チカもおすすめ
都市部では自動車保有率が低いため、仕事帰りに利用しやすい駅チカにあるコインランドリーも重宝されます。このケースでは地方と異なり、駐車場スペースはなくてもかまいません。こういったタイプのコインランドリーなら、10坪ほどの狭い面積からでも始められます。車を利用する方が少ないので、駐車場よりもコインランドリー経営の方が成功しやすいと言えるでしょう。
おわりに
コインランドリーを地方で開業する場合は「車でのアクセスしやすさ」、都市部で開業する場合は「自転車や徒歩での行きやすさ」が求められています。
コインランドリー経営は、土地代の高い駅チカではなくても、十分に利益を出せる可能性があるビジネスです。地方の場合、生活道路沿いであれば買い物帰りに女性客が利用しやすくなります。都市部の場合は、単身者の多いマンションやアパート付近なら集客できる可能性が高いでしょう。
コインランドリーは、年々市場が拡大している注目の土地活用ビジネスです。使っていない土地の活用について迷っている方は、この機会に開業を検討してみてはいかがでしょうか?