無人経営のためランニングコストが低く、投資としても人気のコインランドリーの経営。しかしながら、どんな場所にどんなお店を出店しても成功するというわけではありません。
今回は、比較的手軽に始められるとして人気のコインランドリー経営について、赤字などで失敗するリスクを避けるためのポイントを4つご紹介します。
② 収益を大きく見積り過ぎない
③ 設置する機械の大きさや種類は、店によって変える
④ セキュリティ対策を取り入れる
①立地と客層を事前にしっかり確認する
遊休地の利用でも、これから新たに土地を探して出店する場合でも、コインランドリーを開業するにあたってまず重要なのが、いわゆる「商圏調査」です。「商圏調査」とは、店舗出店予定地の生活圏内において、どんな客層が見込めるのか、どのくらいの洗濯需要や利用者ニーズがあるのか?などについて、立地条件を元に調査するもので、これから開業するコインランドリーがどのくらい利益が見込めるのか事前に見込みを立てておくために、非常に重要なステップです。
たとえば、閑静な住宅街に新たな需要が見込めそうな土地に出店を検討しているとします。近くにコインランドリーもなく、また、子供がいる世帯が多そうなので、主婦層の利用が多く見込めるかも?
しかし、地図をしっかり見て確認したところ、この商圏にはちょうど真ん中に線路が走っていることがわかりました。ケースバイケースではありますが、線路を渡らなければならない場合、客層が一気に減る場合もあります。それでも採算が取れる商圏かどうか?改めて検討する必要があります。
②収益を大きく見積り過ぎない
入念な商圏調査が終わったら、開業するコインランドリー店舗内に設置する洗濯機や乾燥器の台数や店舗内装をどの程度作りこむかなど、設備投資のボリュームを決めなければなりません。よくある失敗例としては、収益増を狙って設備投資額を大きく見積もるケースです。たとえば、広々とした店内で、機械の台数が多いほど、使い勝手の良いイメージを利用者に与え、さらに利用者も増える……という予想を元に、設備投資額が需要やニーズに見合わない大きさに膨らむと、投資額が回収できず経営リスクにつながることも。開業当初の設備投資は、あくまでも需要が見込めるだけのサイズにおさめることが重要です。
③設置する機械の大きさや種類は、店によって変える
コインランドリーのお店でメインとも言える洗濯機・乾燥機ですが、ひとくちにコインランドリー用の洗濯機・乾燥機と言っても、実はさまざまな機種やサイズが存在します。どの組み合わせで、何台設置するのが適しているのか?これも、立地条件や地域の世帯状況によって判断する必要があります。
最近では利用者層も大きく様変わりし、日々の溜まった洗濯物をまとめて洗濯する単身者から、布団などのいわゆる「大物」を洗いにくる人、自宅での洗濯作業が重労働に感じるシニアの方、家族の洗濯物を持ち込むお父さんお母さんまで、さまざまな利用者が想定されます。
たとえば、家族入居向けマンションの近くにコインランドリー経営を始めた場合、小さいサイズの洗濯機や乾燥機しかなければ、利用者は不便を覚えるかもしれません。または、雪深かったり雨が多かったりする土地や、じめじめしやすい気候の土地では、外で洗濯物を干すことができないため、大型乾燥機の需要が非常に高い場合もあります。
出店する立地や環境ではどういうニーズがあるのか?という想定を元に、周辺住民が使いやすく、かつ、効率の良い回転数をキープでき収益につながる機種とサイズを選びましょう。複数出店する計画がある方は、店舗によって機械の台数や種類、サイズを変えたほうが良いケースもあります。
④セキュリティ対策を取り入れる
コインランドリーは基本的には無人で運営されているため、利用者が安心できるお店づくりも、重要なポイントとなります。
人気があり回転率の高いコインランドリー店では、店内が明るく清潔で、かつ、外からも店内がよく見える店舗デザインを採用しています。これは、単におしゃれなデザインというだけではなく、無人の店舗であっても女性でも安心して利用できるように配慮されたものです。
また、無人経営であることから窃盗のリスクもゼロではないため、防犯カメラを設置しているお店がほとんどですが、やはり女性は入りづらいのではないかという考えから、最近では、店舗にスタッフが常駐するケースも多く見受けられるようになりました。その場合、洗濯代行など無人では対応できないサービスを提供することで、さらに付加価値を上げて収益につなげている店舗もあるようです。
まとめ
コインランドリー経営において失敗を避けるためには、出店する土地に見込める利用者数や収益を事前にしっかり見極め、無理をしない出店計画を立てることが重要です。セキュリティ面も考慮のうえ、周辺住民の方に求められる、快適な店舗づくりを目指しましょう。