コインランドリー経営で大幅節税
コインランドリーというと、家に洗濯機がない人や出張・旅行者向けの施設というイメージを持たれている方も多いかもしれません。
しかし、高機能かつ大量の洗濯物を洗える洗濯機や乾燥機が備え付けられているなど、数年前では考えられないほど大幅に機能性が向上しています。
また、カフェの併設などによりコミュニティの場としても利用されており、一般的なイメージと違って、顧客層が拡大しています。
コインランドリー投資は、節税面でも優遇されており、投資×節税ができる方法として根強い人気があります。
本記事では、コインランドリー投資で利用できる税制の解説、他の節税投資方法との比較を行っていますので、是非ご参考になさって下さい。
コインランドリー投資は高い節税効果が見込める
なぜコインランドリー投資が節税対策として注目を集めているのでしょうか?
取得費は長期で費用計上していくのだから、当期の利益に対する節税対策として、コインランドリー投資ではあまり効果がないのでは?と思われるかもしれません。
コインランドリーの法定耐用年数は13年ですので、13年間で減価償却を行うと考えると、効果は限定されますが、後述する3つの税制優遇を利用することで、圧倒的な節税対策を行うことができます。
単にコインランドリー投資を行った場合の節税効果
通常、高額な資産を購入した場合、取得したときに全額損金とはできず、「減価償却資産」として耐用年数に応じて費用計上していきます。
コインランドリーの場合、一般的に以下の費用がかかります。
※建物を新築した場合。内装のみの場合は、②は1,000万円程度に収まることもある。
この中で、コインランドリー事業のメインとなる機械(洗濯機や乾燥機)の法定耐用年数は13年となります。
不動産部分については、木造は22年、鉄骨鉄筋は39年間で減価償却を行いますので、建物と比べると約半分の期間で償却を行うことができます。
しかし、機械部分について初年度は最大でも15.4%(耐用年数13年・定率法)しか費用計上することができません。
これだけですと、当期の節税対策であれば他の節税スキームを利用した方が高い節税効果が得られます。
一方で、コインランドリー投資については、3つの税制優遇が利用できるため、初年度に機械装置の全額を費用計上することが可能となり、当期の節税対策としても、将来的な相続税対策としても非常に有効的に機能します。
利用できる3つの優遇税制
コインランドリー経営では、個人・法人どちらでも以下3つの税制優遇を利用することができます。
※中小事業者のみ。一定規模以上の会社では利用できません。
上記3つの制度をうまく利用することで、当期の節税対策×投資利回りの向上×相続対策が可能になります。
各制度については別の記事で解説していますので、ご参考になさって下さい。
節税方法の比較
節税方法は4つの区分があります。節税方法を考える際は、今行おうとしているものがどの節税区分に該当するかをしっかりと意識することをお勧めします。
取り組むべき優先順位は①>②、③>④の順番がベストです。
①王道的節税(追加キャッシュ不要)
⇒まずは、この区分の節税から取り組みましょう。例えば、青色申告を提出する、出張旅費規程を作成する、社宅制度を導入する、決算期の変更を行うなど、実施していない項目がある方は、優先的に実施してください。
②投資的節税(節税×利回り)
⇒設備や事業に投資し、来期以降の売上げを伸ばし、かつその投資資金を経費にして節税する方法です。コインランドリーを使った節税もこの区分に該当します。
節税としては一般的な方法で、自社内であれば最新の設備を導入し生産能力を上げる、社外への投資であればオペレーティングリースにより数年後にリターンを得る、などが挙げられます。これは売上を伸ばしながら、費用を計上していくという意味で投資的節税区分に該当します。
③保守的節税(万が一に備える)
⇒経済的な損失や不測の事態に備えてお金を外部に積み立てておくというものが多い方法です。例えば、中小企業倒産防止共済や法人保険への加入などが挙げられます。
④消費的節税(無駄遣い)
⇒よくある方法としては、出張とあわせて観光する、打ち合わせを兼ねて飲み会を行う、仕事でも使うがプライベートでも使う車を買う、などです。
ただし、税務署調査により否認され、法人の経費として落ちないだけでなく、個人の給与所得とみなされ、重加算税が法人・個人両方に課されるダブルパンチといったペナルティの恐れもあるため、素直に税金を払った方が良いかもしれません。
投資的節税方法の比較
投資的節税とは、当期の利益を圧縮しつつ、将来にわたってリターンを得ていく方法です。
代表的なものとしては、オペレーティングリースや米国不動産、太陽光、コインランドリー、LED、などがあります。
まとめ
コインランドリー投資は、当期の節税対策として有効なだけでなく、他の節税スキームと比較しても投資利回りが比較的高く取れる可能性があります。
しかし、利用者がいなければリターンが得られず、節税目的で行ったのに結局損したというような結果にならないように、立地条件や市場調査など専門的に行っている企業に相談してから、事業を行うことをお勧め致します。
コインランドリー投資で利用できる3つの優遇税制については、別の記事で解説していますので、ご確認下さい。
【著者のプロフィール】
小西 大貴
・公認会計士
・九州大学法学部卒業後、大手銀行に入行
・リテール営業、法人融資業務に従事した後、BIG4監査法人に入社
・4年間勤務したのち、税理士法人に参画
・税務顧問の傍ら、節税と資金調達をメインに、中小企業の財務支援を担当している
・節税相談サイト「節税の教科書」(https://www.mikataconsulting.com/)の記事を監修し、毎月2~3億円の税金対策の相談を受けている