再建築不可の土地を購入するメリット・デメリット!再建築不可物件の活用方法も紹介

「再建築不可の土地の使い道は?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

再建築不可の土地は安価なため、購入して活用する方がしばしばいます。

しかし、その活用方法を把握しておかないと、理想的な使い方ができなくて後悔するでしょう。

そこで本記事では、再建築不可の土地を購入するメリットとデメリット、再建築不可物件の活用方法などを紹介します。

本記事を読むと、再建築不可の土地でも目的に沿った使い方ができるかどうかわかります。

はじめての土地活用で、再建築不可に関する適切な知識がない方は、ぜひお読みください。

再建築不可の土地とは

再建築不可の道路

再建築不可の土地とは、建築確認申請が通らない土地のことです。

主に以下のような土地を指します。

  • 建物を新築できない土地
  • すでに建物がある場合は更地にしたあとに新築できない土地

再建築不可になる要因は、接道義務に違反していることです。

接道義務とは、敷地に建物を建てる場合、幅員4m以上の道路に土地の間口が2m以上接していなければならないルールです。このルールに違反している場合、土地に建物を建てられません。

たとえば、土地が広くても道路に接している部分が1.5mしかない場合、再建築不可に該当します。土地が広く、道路に3mほど接していても、道幅が4m未満のケースでも、建物を新築できません。

参考:建築基準法 第六条(建築物の建築等に関する申請及び確認)

再建築不可の土地を購入するメリット

メリット再建築不可の土地を購入するメリットを把握すると、活用方法を考えるきっかけになるでしょう。

主なメリットは以下の2つです。

  • 安価で敷地面積を拡張できる
  • 土地の税金が多くかからない

金銭的な支出を抑えたい方は、再建築不可の土地を購入するのがおすすめです。しかし、土地が安価だからと購入しても、失敗する可能性が高くなります。

そのため、どのような人が再建築不可の土地を購入するのに向いているかも解説します。

安価で敷地面積を拡張できる

再建築不可の土地を購入すると、安価で敷地面積を拡張できます。この恩恵を受けられるのは、再建築不可の「隣地」を購入する方に限られます。

再建築不可の隣地を購入すると、既存の土地と合わせて活用することが可能です。元々の再建築不可の土地が接道義務に違反しなくなり、その部分にも建物を建てられるケースもあります。

その結果、土地の活用方法の幅が広がるでしょう。

土地の税金が多くかからない

再建築不可の土地には、固定資産税と都市計画税が多くかからないメリットがあります。

再建築不可の土地は、一般的な土地に比べて、固定資産税評価額が低く設定されている傾向にあるためです。

固定資産税と都市計画税の金額は、土地の固定資産税評価額に左右されます。

その計算式は以下の通りです。

  • 固定資産税:固定資産評価額×1.4%
  • 都市計画税:固定資産評価額×0.3%

たとえば、土地の固定資産税評価額が1,000万円ならば、固定資産税は14万円、都市計画税は3万円となります。しかし、固定資産税評価額が300万円ならば、固定資産税は4.2万円、都市計画税は9,000円になります。

上記のように年間の支出を減らすことが可能です。ランニングコストを抑えたい方に、再建築不可の土地はおすすめです。

参考:

総務省|固定資産税

総務省|都市計画税

再建築不可の土地を購入するデメリット

デメリット再建築不可の土地を購入するデメリットを把握すると、後悔することがなくなるでしょう。

土地を買ってから「使い道に困っている…」とならないように、以下2つのデメリットをチェックしてみてください。

  • 土地の活用方法が制限されている
  • 土地の資産価値が低いとされている

それぞれ順番に見ていきましょう。

土地の活用方法が制限されている

再建築不可の土地を購入するデメリットは、活用方法が制限されていることです。

小売店や賃貸アパートを経営しようにも、建物を建てられません。

土地をビジネスとして活用するならば、建物を建てる必要がない駐車場経営やコンテナハウス、太陽光発電などに限定されます。

居住地として土地を活用する場合でも、自宅を建てられません。元々ある再建築不可物件をリフォームするしかないのです。

土地の資産価値が低いとされている

再建築不可の土地の資産価値は、一般的な土地に比べて低いとされています。

再建築不可の土地は、既存の物件の建て替えや新築ができず、活用方法が制限されているためです。

土地の資産価値が低いと、売却をするにも買主を見つけるのに苦労するでしょう。土地を貸し出すケースでも、活用方法がないため、借主が容易に見つかりません。

仮に買主や借主が見つかっても、高く売却したり貸し出したりできず、利益を得られないでしょう。このため、土地の資産価値が低いことがデメリットとされてます。

再建築不可の土地で再建築を可能にする4つの方法

再建築不可物件再建築不可の土地で再建築を可能にする裏ワザがわかれば、デメリットがなくなります。

ここでは、再建築不可の土地で再建築を可能にする方法を、以下の4つ紹介します。

  1. 土地を位置指定道路にする
  2. セットバックをする
  3. 隣地を購入する・借りる
  4. 建築審査会の審査を受ける

それぞれ順番に見ていきましょう。

1. 土地を位置指定道路にする

再建築不可の土地を位置指定道路にすると、建物を建てることが可能です。

位置指定道路とは、自分の土地の一部を建築基準法上の道路として特定行政庁に認可してもらった道路のことです。

土地を位置指定道路にすると、土地に接している道路の幅員が狭いという再建築ができない原因を取り除けます。

たとえば、土地に接している道路の幅員が3mしかない場合は、自分の土地1m分を位置指定道路として認めてもらうことで、再建築できるようになります。

位置指定道路の申請は、所在地を管轄する役所の建築課で行うことが可能です。

参考:建築基準法 第四十二条(道路の定義)

2. セットバックをする

セットバックを行うと再建築不可の土地に建物を建てられます。

セットバックとは、道路の幅員が合計4mになるように、敷地を後退させる方法です。

これは道幅が狭いことにより、建物を建てられないときに行われる手法です。

建築基準法第42条第2項の規定によると、以下の条件では建物を建てられないとされています。

  1. 道路の中心線から水平距離2mの範囲
  2. 道路の片側が崖地、川、線路敷地などの場合は、その崖地等の道の側の境界線から水平距離4mの範囲

上記の条件により建物を建てられないときに、土地を後退させることで再建築が可能になります。

なお、セットバックさせた部分は私的に流用できません。

参考:建築基準法 第四十二条(道路の定義)

3. 隣地を購入する・借りる

再建築不可の土地に建物を建てる方法のひとつは、隣地を購入したり、借りたりすることです。

接道義務を満たした隣地と再建築不可の土地をひとつにまとめると、接道義務をクリアできるためです。

たとえば、以下の1と2の土地をまとめると、道路に面していないという課題が解決され、再建築が可能になります。

  1. 間口が3m以上あり、幅員4mの道路に接道している土地
  2. 間口がなく、出入りができない土地

なお、土地を借りる場合には賃料が発生しますが、購入するよりは初期費用の負担が少なくなります。

4. 建築審査会の審査を受ける

建築審査会の審査を受けると、再建築不可の土地に建物を建てるのを認められるケースがあります。

これは「建築基準法第43条」の但し書きの規定を満たし、建築審査会の同意を得て、特定行政庁が許可した場合、再建築が可能になるというものです。

「建築基準法第43条」の但し書きの規定を満たす要件は、以下の通りです。

  • 敷地の周囲に広い空地を有すること
  • 交通・安全・防火・衛生上の支障がないこと

ただし、この制度は例外的に建築を認めるものです。そのため、建築審査会の同意や特定行政庁の許可が下りるまでに、長い時間を要することに留意しましょう。

参考:第43条第2項第1号認定及び第2項第2号許可の取扱いについて

再建築不可の土地を活用する方法3つ

駐車場再建築不可の土地を活用する方法がわかれば、再建築するための対策を行わなくても、ビジネスを展開できます。

ここでは、以下3つの活用方法を紹介します。

  1. 駐車場・駐輪場を経営する
  2. コンテナハウスを設置する
  3. 太陽光発電を設置する

本章を読むと、それぞれの土地活用のメリット・デメリットがわかり、自分にあったビジネスを行うことが可能です。

1. 駐車場・駐輪場を経営する

再建築不可の土地の活用方法としておすすめなのが、駐車場・駐輪場の経営です。

駐車場・駐輪場経営ならば店舗を建設しないため、再建築不可のルールの対象になりません。

駐車場・駐輪場経営のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット ・初期費用が低い
・他業種への切り替えが簡単にできる
・狭い土地でも経営できる
デメリット ・収益性が低い
・税金の軽減措置の対象にならない

土地活用としての駐車場経営については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

関連記事:土地活用として駐車場経営は儲かる?年収や初期費用の違いを他業種と比較

2. コンテナハウスを設置する

再建築不可の土地を活用する手段として、コンテナハウスを設置するのもポイントです。

コンテナハウスは以下の条件を満たすと、建築確認申請が不要になるためです。

  • 床面積が10平方メートル以下
  • 防火地域・準防火地域に該当しない
  • 新築以外(増築・改築・移転)

コンテナハウスを経営すると、倉庫や店舗として貸し出して賃料を得られます。また、賃貸住宅のような複雑な構造ではないため、解体や組み立てを簡単に行えます。そのため、他業種への変更が比較的容易にできるでしょう。

ただし、デメリットとして初期費用の高さや収益性の低さが挙げられます。

中古のコンテナでも、ひとつあたり20〜200万円ほどかかるでしょう。インフラ設備を整えるならば、初期費用はさらにかかります。コンテナハウスは1室あたりの単価が安いため、収益性が低いといえます。

メリット ・貸し出しで賃料を得られる
・解体や組み立てが容易にできる
デメリット ・初期費用が高い
・収益性が低い

3. 太陽光発電を設置する

太陽光発電を設置するのも、再建築不可の土地を活用する手段として効果的です。

太陽光により発電して電気会社に売電すると、収益を得られます。

太陽光発電のメリットは、自家発電により光熱費を減らせることと、景気に左右されにくいことです。

太陽光発電により発電した電気を個人用に使用すると、自宅の光熱費を減らせます。また、電気を自分用に使うと、顧客商売にならないため、景気によって収益性が左右されることがありません。

一方、デメリットは周囲に建物があると日射量が十分でないことと、夜に発電できないことです。太陽光による発電ができず、十分な投資対効果を得られないでしょう。

メリット ・光熱費を減らせる
・景気に左右されにくい
デメリット ・周辺環境により発電量が左右される
・夜には発電ができない

再建築不可物件を活用する方法

再建築不可物件再建築不可物件を活用したいと考える方もいるのではないでしょうか。

本章では再建築不可物件を活用する方法を、以下3つ紹介します。

  1. 再建築不可物件をリフォームして住む
  2. 戸建賃貸を経営する
  3. 店舗ビジネスを営む

それぞれ順番に見ていきましょう。

1. 再建築不可物件をリフォームして住む

再建築不可物件を活用する手段のひとつは、リフォームして住むことです。再建築不可物件は建て替えができませんが、リフォームなら許容されています。

ただし、以下のような建築確認申請が不要なリフォームに限られます。

  • 建物の主要構造部の2分の1以下の修繕
  • 防火・準防火地域外での10㎡以下の増改築・移転

上記に加えて、リフォームの対象が木造建築か木造建築以外かで、それぞれ次のような条件を満たす必要があります。

リフォームの対象 条件
木造建築 ・2階建て以下
・延べ床面積が500㎡を超えない
・高さが13m、軒の高さが9mを超えない
木造建築以外 ・平家
・延べ床面積が200㎡を超えない

上記のような条件を満たした場合は、再建築不可物件をフルリフォームして住むことが可能です。

参考:建築基準法 第六条(建築物の建築等に関する申請及び確認)

2. 戸建賃貸を経営する

再建築不可物件をリフォームして貸し出し、家賃収入を得ることも活用方法のひとつです。

再建築不可物件を賃貸住宅にするメリットは、収益性が高いことです。物件の取得費が安いため、高い利回りを維持しながら運営ができます。

利回りとは、投資元本から一定期間に得られた利益の割合のことです。以下のように計算し、パーセンテージが高いほど収益性が高くなります。

(売上 – ランニングコスト)÷ 初期費用 × 100 = 利回り

たとえば、初期費用が500万円と250万円の物件があったとします。どちらも家賃収入が年60万円、ランニングコストが年20万円とすると、利回りはそれぞれ以下のようになります。

  • (60万 – 20万)÷ 500 × 100 = 8%
  • (60万 – 20万)÷ 250 × 100 = 16%

一方でデメリットとして、再建築不可物件には築古物件が多いため、リフォームやリノベーションの費用が高くなりやすい点があります。

3. 店舗ビジネスを営む

再建築不可物件を活用して、店舗ビジネスを営むのも手段のひとつです。

カフェや売店などを営んだり、テナントとして貸し出したりすると、収入を得られます。

店舗ビジネスを営むメリットは、初期費用を抑えられることです。

再建築不可物件は、建て替えができず使用用途が制限されているため、取得費用が安くなります。

一方でデメリットとして、リノベーションが必要になることが挙げられます。再建築不可物件は築古物件が多いため、店舗として活用するには、キレイな状態に改修しなければならないケースがあるでしょう。

上記を留意した上で、店舗ビジネスを検討してみてください。

再建築不可の土地に関するよくある質問

質問再建築不可の土地に関するよくある質問に回答します。

よくある質問は以下の2つです。

  • 築何年以内の再建築不可物件を購入するべきですか?
  • 再建築不可の土地はどこで確認できますか?

順番に見ていきましょう。

築何年以内の再建築不可物件を購入するべきですか?

再建築不可物件を購入するならば、築70年ほど経過している可能性があります。

1950年に制定された接道義務によって、再建築不可の土地が生じたためです。

このため、再建築不可物件を購入する際には、築年数を条件に検討することはおすすめしません。築年数が経過していることを前提として、修繕が適切に行われているかを見ましょう。

また、築古物件は最新の耐震基準「2000年基準」をクリアしないケースが多くあります。耐震補強リフォームを行っているかどうかを見極めて、再建築不可物件を購入するのがおすすめです。

再建築不可の土地はどこで確認できますか?

土地が再建築不可かどうかを確かめる方法は、市区町村の役場で聞くことです。

該当する再建築不可の土地を管轄する役場に出向き、建築関係の部署で尋ねると教えてくれます。

この際、以下の書類を用意しておくと、手続きがスムーズに進みます。

  • 登記事項証明書
  • 地積測量図
  • 建物図面

これらの書類は法務局で入手できます。法務局は各市区町村にあるため、直接出向くとよいでしょう。

再建築できる土地にしたならコインランドリー経営もおすすめ

コインランドリー再建築不可の土地は安く購入できます。そのため、初期費用を抑えながら、駐車場経営やコンテナハウス経営などを行うのも土地活用の手段のひとつです。

しかし、再建築不可のまま土地を活用しても、間口が狭かったり、どこにも出入り口がなかったりして使いにくいでしょう。そのため、再建築できる土地にしてから活用するのが効果的です。

なお、再建築できる土地にしたならば、コインランドリー経営を行うのがおすすめです。コインランドリー経営は景気に左右されにくいビジネスのため、売上が安定しています。また、洗濯機と乾燥機1台ずつから始められるため、土地が狭くても問題ありません。

エレクトロラックス・プロフェッショナルでは、コインランドリー経営の初期費用の抑え方や集客の方法などをレクチャーしています。無料のセミナーを開催していますので、お気軽に覗いてみてください。

再建築不可の土地を購入するメリット・デメリット!再建築不可物件の活用方法も紹介 2024-05-24T01:03:35+00:00 Electrolux Professional