「土地活用としてトランクルームを経営したいけど、儲かるのかな…」と考えている方もいるのではないでしょうか?
日本では住宅の縮小化が進んでおり、トランクルームの需要が高まっています。そのため、土地活用としてトランクルーム経営を始めるのも良い選択です。
しかし、初期費用やランニングコストなどがわからないと、経営に失敗してしまうリスクも高まります。
そこで本記事では、トランクルーム経営のビジネスモデルや初期費用、メリット・デメリット、よくある失敗などを解説します。
本記事を読むと、トランクルーム経営が自分の価値観や土地に向いているのかがわかり、失敗しにくくなるでしょう。
なお、土地活用の手段で悩んでいる方は、コインランドリー経営もご検討ください。今回はコインランドリー経営がおすすめな理由も紹介します。
土地活用におけるトランクルーム経営とは?
土地活用におけるトランクルーム経営の基礎情報について紹介します。
- トランクルーム経営のビジネスモデル
- トランクルーム経営の初期費用
- トランクルーム経営のランニングコスト
- トランクルーム経営の利回り
ビジネスモデルや初期費用などを確認して、自分にトランクルーム経営が合っているのかを判断してください。
トランクルーム経営のビジネスモデル
トランクルーム経営のビジネスモデルには、以下の3つが挙げられます。
運営方法 | 概要 |
---|---|
事業用定期借地方式 | 自分の土地をトランクルーム事業者に貸し出し、地代を得る方式 |
リースバック方式 | 自己所有のトランクルームを業者に借り上げてもらい収入を得る方式 |
業務委託方式 | トランクルームの経営はオーナーが行い、集金や清掃などの業務を業者に委託する方式 |
もっともリスクが少ないのが土地貸しを行う「事業用定期借地方式」、初期費用はかかるが管理の手間が不要なのが「リースバック方式」です。リスクはあるが収益性の高さを重視するならば「業務委託方式」で経営するのがよいでしょう。
トランクルーム経営の初期費用
トランクルーム経営の初期費用は、土地の広さやコンテナの数によって異なりますが、おおむね200〜800万円です。
初期費用の内訳には、主に以下のようなものがあります。
- トランクルーム本体:60〜100万円/1台
- トランクルーム設置費用:80〜100万円
- 整地費用:10,000〜15,000円/1坪
- 防犯カメラ設置費用:約30万円
- 看板設置費用:約10〜20万円
- 運搬費用:10,000〜30,000円
このほか、土地によってはインフラの整備費用がかかるでしょう。
トランクルーム経営のランニングコスト
トランクルーム経営のランニングコストは、土地の広さやビジネスモデル、コンテナの数によって異なります。そのため、一概にはいえません。
そこでここでは、ランニングコストの項目のみを紹介します。
- 固定資産税
- 光熱費
- 業務委託費
- 人件費
人件費の有無は人によって異なります。トランクルームの設置場所にスタッフを常駐させるならば人件費が必要です。
また「業務委託方式」によりトランクルームを経営する場合、清掃費や管理費などの業務委託費がかかります。
トランクルーム経営の利回り
トランクルーム経営の利回りは10〜20%ほどです。表面利回りが20%以上、実質利回りが10〜15%ほどです。
屋外型のトランクルームの利用料は、2,000〜7,000円/月ほどかかります。
たとえば、初期費用に500万円、ランニングコストに40,000円/月かかって、利用者15人が各6,000円/月を支払った場合、利回りは以下のようになります。
- 表面利回り:年間収入108万円 ÷ 500万円 × 100% = 21.6%
- 実質利回り:(年間収入108万円 – 年間経費48万)÷ 500万円 × 100% = 12%
利用者ひとりあたりの収益は少ないですが、ランニングコストが低いため、利回りが高くなります。
土地活用としてトランクルーム経営を行うメリット
土地活用としてトランクルーム経営を行うメリットは、以下の3つです。
- 土地の大きさや形状に左右されない
- 修繕費用がほとんどかからない
- 利回りが高い
それぞれ解説します。
1. 土地の広さや形状に左右されにくい
トランクルーム経営は、土地の広さや形状に左右されにくいメリットがあります。
コンテナをひとつ設置できるスペースがあればよいためです。トランクルーム経営は20〜30坪ほどの狭小地でも行えます。
また、不整形地だからといって初期費用が高額になるわけでもありません。台形地や旗竿地などの不整形地でも経営可能です。
前面道路の幅が広く、車での利用が可能であれば、土地の広さや形状を気にする必要はありません。
2. 修繕費用がほとんどかからない
トランクルーム経営は、他の土地活用ビジネスに比べて、修繕費用がほとんどかかりません。
賃貸アパート経営の場合、入居者の入れ替え時にクロスの張り替え、設備の耐用年数が経過したら交換が必要になります。
しかし、トランクルーム経営では、クロスの張り替えが不要です。また、屋外型のトランクルームならば、空調機材や水道設備がいらないため、交換がいりません。
修繕費用がほとんどかからないため、金銭的な負担を抑えられます。
3. 安定性が高い
トランクルーム経営のメリットは、安定性が高いことです。
一度、利用者が決まると長期で利用してもらえる可能性があるためです。契約で最低利用期間を設けると、長期に渡って賃料を安定的に得られます。
また、事業用定期借地方式として土地貸しを行うと、相手方は資金力のある法人の可能性があります。短期で解約されることは少ないでしょう。
リスクなく収益を得られるため、安定性が高いといえます。
土地活用としてトランクルーム経営を行うデメリット
土地活用としてトランクルーム経営を行うデメリットには、以下の2つが挙げられます。
- 節税効果が低い
- 他事業に比べて儲からない可能性がある
それぞれ見ていきましょう。
1. 節税効果が低い
土地活用としてトランクルーム経営を行うデメリットは、節税効果が低いことです。
トランクルーム経営では「住宅用地の特例」による固定資産税の軽減措置を受けられません。更地にコンテナを置いても宅地にならないためです。
また、相続税の軽減措置も受けられません。賃貸アパートやコインランドリー経営では「小規模宅地の特例」により、50〜80%の相続税の軽減措置を受けられます。しかし、トランクルーム経営は「小規模宅地の特例」の対象外です。
参考記事:大阪市|住宅用地の課税標準の特例措置
参考記事:国税庁|No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
2. 他事業に比べて儲からない可能性がある
トランクルーム経営のデメリットは、他事業に比べて儲からない可能性があることです。
トランクルーム経営は、ひとつのスペースにつき、月々2,000〜7,000円ほどしか収益を得られません。また、収納スペースの数以上に利用者を増やせません。
賃貸アパート経営ならば、1部屋あたり数万〜数十万円ほど回収できます。コインランドリー経営は客単価が500〜800円ほどですが、その分多くの利用者がいます。
このため、他事業に比べて儲からない可能性があるでしょう。
土地活用におけるトランクルーム経営のよくある失敗
土地活用におけるトランクルーム経営のよくある失敗は、以下の2つです。
- 土地にトランクルームを設置できなかった
- 固定資産税が上がってしまった
失敗事例を把握して、トラブルを未然に防ぎましょう。
1. 土地にトランクルームを設置できなかった
土地活用におけるトランクルーム経営の失敗は、用途地域により設置できないことです。用途地域とは、土地の用途に応じて建設できる建物の制限をしている地域を指します。
以下のような用途地域では、トランクルームを設置できません。
- 第一種低層 住居専用地域
- 第二種低層 住居専用地域
- 第一種中高層 住居専用地域
上記のような住宅地エリアに土地を所有している場合、トランクルーム経営以外のビジネスを検討しましょう。
2. 固定資産税が上がってしまった
土地活用におけるトランクルーム経営の失敗例は、固定資産税が上がってしまうことです。
空き家を取り壊して、トランクルーム経営を始めると、固定資産税は上がります。土地に空き家があると「住宅用地の特例」により、固定資産税が1/3または1/6に軽減されます。
しかし、空き家を取り壊すと、その土地は「住宅用地の特例」を受けられません。このため、固定資産税が上がります。また、トランクルーム自体にも固定資産税がかかることに注意しましょう。
土地活用ならトランクルーム経営以外の手段も検討しよう
土地活用を行うならばトランクルーム経営以外の手段も検討することがポイントです。
- コインランドリー経営
- 賃貸アパート経営
- 資材置き場
順番に解説していきます。
関連記事:田舎の土地活用ビジネスのアイデア10選!失敗例・注意点4つと成功事例も解説
1. コインランドリー経営
土地活用ビジネスとしてもっともおすすめなのが、コインランドリー経営です。
売上が景気に左右されにくく、収益が安定しやすいためです。人間の生活に洗濯は欠かせません。地域住民の認知を高め、集客に成功できれば、継続的な売上が期待できるでしょう。
また、人を雇う必要がないため、ランニングコストがほとんどかかりません。収益の高さと安定性、ランニングコストの低さが相まって、利回りは12〜15%を誇ります。
コインランドリー経営は、商業地や住宅地の近くに土地を所有している方に最適です。
関連記事:コインランドリー経営は儲かる?失敗しないための5つのコツも解説
2. 賃貸アパート経営
賃貸アパート経営は、ベッドタウンに土地を所有している方に向いているビジネスです。
一度入居者が決まると長期に渡って賃料を得られるため、安定性があります。また、トランクルーム経営と異なり、賃料を数万〜数十万円に設定できるため、大きく稼げます。
しかし、空室が生まれると賃料が発生しません。空室が発生しないように賃貸アパートを清潔にしたり、集客を積極的に行ったりする必要があります。
関連記事:土地活用としてアパート経営はあり?コインランドリー経営もおすすめ
3. 資材置き場
建設会社や施工会社が近くにあるならば、土地を資材置き場として貸し出すのもおすすめです。木材や石材、砂利、運搬機器などを長く置いてもらえる可能性があるためです。
資材置き場だと、トランクルーム経営のようにコンテナを設置する必要がありません。初期費用がかからないため、リスクなく賃料を得られるでしょう。ただし、高額な収益は見込めません。
また、他の土地活用ビジネスへの転用が容易にできます。どのようなビジネスをするか迷っているならば、資材置き場を始めるのもひとつの手段です。
トランクルーム経営に関するよくある質問
トランクルーム経営に関する、以下のよくある質問に回答します。
- トランクルームの欠点は何ですか?
- トランクルームに住めますか?
- トランクルームの最低利用期間は何年ですか?
疑問点を払拭してトランクルーム経営を始めましょう。スムーズに事業をスタートさせることにつながります。
1. トランクルームの欠点は何ですか?
屋外型のトランクルームの欠点は、外気の影響を受けやすいことです。コンテナ内に空調設備が備わっていないため、夏は暑く、冬は寒くなります。
このため、屋外型のトランクルームに気温の影響を受ける物品を置くと、故障や劣化につながります。
利用者に貸し出す際には、外気の影響を受けることを伝えましょう。
2. トランクルームに住めますか?
トランクルームに住むことはできません。
トランクルームの目的は「倉庫業法」により、物品の管理や収納と定められています。
トランクルームに暮らすと、倉庫業法に違反したことになり、管理者や運営会社が罰せられるでしょう。
トランクルーム経営では、不法滞在者がいないかを用心する必要があります。
3. トランクルームの最低利用期間は何年ですか?
トランクルームの最低利用期間は運営会社によって異なります。
トランクルームの運営会社によっては、3日間といった短期貸し出しも行っています。
ただし「短くても1ヶ月間」のように、月単位で設定されていることも少なくありません。
貸主は収益性を安定させるために、最低利用期間を契約で定めるのがよいでしょう。
土地活用の方法ならばエレクトロラックス・プロフェッショナルにご相談ください
トランクルーム経営は、収益が安定しており、利回りが高いため、土地活用ビジネスとしておすすめです。しかし、他事業に比べて節税効果が低く、儲からない可能性があります。そのため、人によっては別事業を行ったほうがよいでしょう。
土地活用ビジネスでおすすめなのがコインランドリー経営です。コインランドリー経営は、景気に左右されにくいビジネスモデルなので収益が安定しています。また、ランニングコストが低く、利回りが高くなります。
しかし、何をどのように始めればよいかわからない方がほとんどでしょう。そのような方のために、エレクトロラックス・プロフェッショナルでは、無料のセミナーを開催しています。初期費用がかからない始め方や運営方法などを詳しく紹介しますので、お気軽に覗いてみてください。