汚物除去機は介護業界に革命をもたらす新しいソリューション製品です。
本記事では、導入による効率化や職員の負担軽減、清潔で衛生的な環境の実現について深掘りし、介護施設や福祉業界全体に与える未来への影響を探ります。
人手不足の解消や利用者満足度の向上に貢献する最新の取り組みをご紹介します。
1. 介護現場の現状と課題
八尾志紀マリアヴィラの概要
八尾志紀マリアヴィラは、大阪府に位置する有料老人ホームです。この施設は、要介護1から5までの高齢者を受け入れており、最大77名の入居者を収容できる中規模施設となっています。運営法人であるエールシステムズ株式会社は、大阪に5つの施設を展開しており、その中でこの施設は2番目に大きい規模を誇ります。現在では、ほぼ満床状態となっており、地域の高齢者介護の重要な役割を担っています。
介護現場では下記のような点に課題を抱えています。
1.職員不足と業務負担
介護業界全体で課題となっている人手不足は、この施設でも大きな問題です。利用者の数に対して職員の確保が難しく、特に若年層の応募は減少傾向にあります。そのため、40代から60代の職員が多く、現場では体力的にも精神的にも負担が大きい状況です。さらに、職員の体調不良による欠勤が重なると、日常業務がより困難になることがあります。
2.汚物除去における課題
施設内では、利用者の排泄介助に伴う汚物除去が日常的に発生します。特に問題となるのは、汚物が付着した衣類やリネンの洗濯プロセスです。これまでは、バケツでの漬け置き消毒が必須であり、1時間から長い場合で半日も放置する必要がありました。この工程は労力と時間を要し、また臭いや衛生面での問題も引き起こしていました。
さらに、介護現場では感染リスクも懸念されています。適切に消毒を行わないと、汚物を介した感染が職員や利用者に広がる可能性があるため、慎重な処理が求められます。このような状況の中で、現場の職員は不快な作業であることを感じています。
医療法人社団風林会リゼクリニック|老後・介護に関する調査によれば、介護で大変だと感じることの中で、男女を問わず介護経験者の多くが「相手とのコミュニケーション」、「排泄の介助」が大変だと回答しています。
参考:医療法人社団風林会リゼクリニック|老後・介護に関する調査によれば、介護で大変だと感じること
このような汚物の処理に対して、エレクトロラックス・プロフェッショナルが提供する汚物ミニが注目を集めています。次章では、この製品の開発背景や導入に至るまでの経緯について詳しく解説します。
2. 汚物ミニとは?
汚物ミニは家庭用コンセントと給排水設備で簡単に設置可能な汚物専用の洗濯機です。
主な特徴は以下の3つです。
1.業務の省人化・省力化
従来の汚物処理で行っていた、手洗い、薬剤への漬け込み、洗浄の工程を洗濯機1台1時間で完結させます。今まで2~3時間かかってた工程を1時間で完了させることで時短、省人化につながります。
2.家庭用洗濯機との入れ替えが容易
コンセント, 排水, 給水はすべて既存の家庭用のままで利用可能で家庭用洗濯機に比べて耐久性が約6倍あり、故障時の修理や買い替えなどのコスト削減にも繋がります。
3.専用洗剤による感染リスクの軽減
厚生労働省の「ノロウィルスに関する消毒方法」ガイドラインをクリアしており、介護スタッフへの感染リスクを軽減します。また第三者機関である北里研究所の試験結果から、ウイルス対応洗浄の効果が証明されているので色柄物の洗濯でもしっかり除菌します。
3. 開発のきっかけと導入経緯
開発のきっかけ
汚物ミニの開発は、介護現場の現実的なニーズから生まれました。日本特有の文化として、介護施設内で汚物が付着した衣類やリネンを処理するという慣習があります。海外では産業廃棄物として処理するケースが多い一方で、日本では施設内で洗濯を完結させる必要があるため、業務負担が増加していました。このような背景から、効率的かつ衛生的に汚物を処理するための専用機器が求められるようになりました。
製品開発における課題
エレクトロラックス・プロフェッショナルは、2016年に汚物除去機の構想を開始し、2019年に完成させました。開発に際しては、以下の点が大きな課題となっていました。
- 機械の設置スペース:多くの施設が限られたスペースで運営されているため、小型でありながら耐久性が高く、高性能な製品が求められました。
- 衛生管理:感染リスクを最小限に抑えるために、強力な洗浄力と除菌を洗濯機内で完結するような機能を搭載する必要がありました。
- 使いやすさ:職員の方が誰でも簡単に操作できるシンプルなインターフェースが求められ、プログラミングや洗剤の自動投入機能などの改良が施されました。
本製品は、スウェーデンの業務用洗濯機をベースに、日本市場向けに改良され、現在は日本市場のみで販売を行っています。それは日本の施設が直面するスペースや衛生管理の課題に対応する形で現場を声を形にしたことで製品が生まれ、また家庭用洗濯機の6倍の耐久性を持つ業務用仕様であるため、頻繁な洗濯による故障や入替のコストを大幅に軽減できるメリットもあります。
施設への導入経緯
施設側からの「時間短縮」「業務負担軽減」「臭いの解消」という具体的な要望に応える形で、この製品が導入に至りました。
導入前には、手洗いや漬け置き作業に多くの時間が割かれていましたが、汚物ミニによって作業が自動化され、職員の負担が大幅に軽減されました。
次章では、この製品がもたらした具体的な効果について詳しく見ていきます。
エレクトロラックス・プロフェッショナル・ジャパン株式会社 柴田営業本部長。「汚物ミニの生みの親」
4. 汚物ミニの導入効果
まずは作業効率化と時間短縮です。汚物除去機の導入により、最も顕著な変化は作業効率の向上と時間短縮です。従来、バケツを使用した漬け置き作業に数時間から半日以上を費やしていた工程が、わずか1時間で完結するようになりました。これにより、職員は他の介護業務や施設運営に集中できるようになり、全体の業務効率が飛躍的に向上しました。
次に臭いや衛生面の改善です。漬け置き作業を省略することで、施設内の臭いや衛生環境が大きく改善されました。特に、乾燥機使用時に発生していた悪臭がほぼ完全に解消され、職員や利用者にとって快適な環境が提供されています。また、感染リスクの軽減にも寄与し、安全性が向上しました。
汚物除去機の導入により、物理的な職員への作業負担が大幅に減少しました。これまでは手洗いや漬け置き作業による体力的な負担が大きかったものの、現在では機械任せで処理が可能となり、職員の健康管理や精神的なストレス軽減にもつながっています。
この製品は洗剤の自動投入機能を備えており、必要最低限の洗剤量で高い洗浄効果を発揮します。これにより、洗剤の無駄使いが削減され、長期的なランニングコスト削減が期待されています。また、家庭用洗濯機と比較して6倍の耐久性を持つため、頻繁な修理や買い替えの必要もなくなり、運営費用が抑えられています。
快適な環境を維持することで、利用者の満足度も向上しています。特に、衣類やリネンの衛生状態が改善されたことで、利用者やその家族からの信頼が厚くなり、施設の評判向上にもつながっています。
5. 現場からの声:導入後の変化とうれしい声
ホーム長:「漬け置きのバケツが床に広がっている光景が全くなくなりました。今は汚れがしっかり落ちるし、臭いも全然気にならなくなりました。職員の職場環境や入居者の方にとっても衛生的になるのは本当に助かってますよ。」
また、作業の負担が軽くなったことで、職員間の雰囲気も良くなったそうです。「漬け置きがなくなった分、ほかの業務に集中できて、みんな余裕ができました。」
「洗濯物がいつもふわっとしていて気持ちがいい」と話す利用者の声が職員のやる気にもつながっています。また、家族からは「清潔感がある施設で安心しました」といった感想が寄せられています。「特にがん末期の利用者さんの衣類も汚物ミニを導入してからは普通の洗濯機で取れなかった臭いもなくなりきれいに保てるのは本当にありがたい。」とのうれしいお言葉もいただきました。
導入を迷っている施設へのアドバイス
「迷ってるなら、一度使ってみてほしい。私たちも最初は効果があるのかわからなかった。でも、使った瞬間に分かります。『なんでもっと早く導入しなかったんだろう』って。」
さらに、「洗剤などのコストのことを気にするかもしれませんが、長い目で見れば大きな節約になるし、一番は職員の負担が減ることでスタッフの離職率も下がると思いますし、入居者の方のサポートが充実すれば施設全体の運営環境もよくなるはずです。」
6. 汚物ミニがもたらす未来
昨年厚生労働省は、2040年度に介護職員が約272万人必要になると推計し、2022年度の約215万人から約57万人の増員が必要と発表しました。2026年度時点でも約240万人が必要とされ、人員不足が続く見通しのなか特に大都市圏で人員不足が顕著になってきています。
今後汚物ミニの導入が広がることで、介護業界全体が大きな変革を迎える可能性があります。DX化による効率化も重要ですが、人の手を必要とする現場での作業効率が向上することで、職員の負担が軽減され、離職率の低下に寄与することが我々の使命だと感じています。
さらに、作業環境が快適になることで、働きやすさに魅力を感じ新たな人材の確保にもつながります。「汚物ミニが導入されている施設」というだけで、求職者にとって魅力的な職場になる可能性があります。
また、清潔で衛生的な環境が保たれることで、利用者やその家族にとっても安心感が得られます。特に、感染リスクが低減されることで、家族が利用者を施設に預ける際の不安を大幅に軽減できます。「この施設なら安心して親を任せられる」といった評判が広がり、施設の信頼性が高められます。
介護業界は慢性的な人手不足に悩まされていますが、汚物ミニの導入により効率化が進むことで、限られた人員で高品質な介護サービスを提供できるようになります。これにより、業界全体の持続可能性が向上し、社会全体における高齢者ケアの質が底上げされることが期待できます。
他業界でも同様の悩みは抱えており、病院や障害者施設など、他の福祉施設でも汚物ミニのニーズが高まっています。これにより、介護業界以外にも効率化と衛生管理の改善という波及効果が広がり、日本全体の福祉インフラが強化されることも期待されます。
汚物ミニは、単なる設備の一つではなく、未来の介護を支える重要なツールです。
導入を迷っている施設の方がいらっしゃれば、ぜひエレクトロラックス・プロフェッショナルまでお問い合わせください。。職員も利用者も、そして社会全体がその恩恵を受けることで今後の少子高齢化社会に貢献していきたいと思います。
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