乾燥機を初めて使うと、勝手がわからなくて困ることもあるでしょう。とくに、エラーメッセージが表示されると、どのように対処してよいかわからず、困りますよね。
乾燥機によく表示されるメッセージのひとつに、「cd」があります。cdは冷却中の意味で、エラーではありません。本記事では、「cd」表示の意味合いや所要時間を解説します。
乾燥機に出てくる「cd」とは?
コインランドリーを使っていたら、パネルに「cd」と表示された経験はないでしょうか。このような表示の意味について、次の項目で解説します。
- cdは「クールダウン」の略
- クールダウンの所要時間
cdは「クールダウン」の略
「cd」とは、クールダウンの略称です。コインランドリーの乾燥機で洗濯物を乾燥したあと、熱くなった衣類を冷却する際に表示されます。
コインランドリーの乾燥機は、「ガス乾燥機」と呼ばれる機種です。ガスの力で温風を作り出し、濡れた洗濯物を回転させながら乾かします。短時間で洗濯物をカラッと乾かせる一方で、洗濯物やドラム内が高温になるため、素手で触るのは危険です。
クールダウンは、高温になった洗濯物を冷まし、安全性を高めるために行います。乾燥機によってはドラム内の温度が80℃を超えるため、クールダウンが終わるまで待つと、やけどの心配がありません。
クールダウンの所要時間
クールダウンにかかる時間は、5〜10分程度です。衣類を安全に取り出せる温度まで冷ます必要があるので、ある程度の時間がかかります。
乾燥機の温度を下げれば、クールダウンの時間も短くなるでしょう。しかし、乾燥機の温度が低いと乾燥が遅くなるほか、衣類に住み着いたダニを殺しきれないデメリットもあります。ダニは60℃以上でないと死滅しないので、乾燥機が高温になるのは仕方のないことです。
クールダウンを待たずに取り出すことも、不可能ではありません。しかし、洗濯物でやけどをするリスクがあるので、クールダウン中は待った方がよいでしょう。
クールダウンを待たない場合のリスク3選
急いでいるときや、コインランドリーが混んでいるときは、クールダウンの時間を待てないと思ってしまうかもしれません。しかし、クールダウンを待たないと、次のようなリスクを負うことになります。
- やけどの恐れがある
- 洗濯物にシワができる
- 洗濯物が飛び出す
やけどの恐れがある
クールダウンを待たずに洗濯物を取り出すと、やけどをする恐れがあります。乾燥直後の洗濯物や、乾燥機のドラム内は高温であり、触ると危険です。やけどのリスクがあるため、クールダウンを待ってから取り出しましょう。
また、布団のように分厚いものを乾燥する際は、途中で乾燥機を開けて洗濯物を裏返す工程が必要です。このような場合も、洗濯物が高温になっていないか、十分注意しましょう。
洗濯物にシワができる
乾燥機のクールダウンには、シワを防止する効果もあります。コインランドリーの乾燥機は温風とドラムの回転で洗濯物を乾かすため、衣類のシワ伸ばしが可能です。
洗濯物にシワをつけたくない場合は、クールダウン中に乾燥機を開けない方がよいでしょう。急ぎたいときも、1〜2分待つのがおすすめです。乾燥途中で取り出すよりも、シワがつきにくくなります。
洗濯物が飛び出す
乾燥機のドアを急に開けると、高温の洗濯物が飛び出します。ドアを開ける際は乾燥機の前方に立つことになるため、顔や手のような素肌に当たる恐れがあります。正しく治療しても、傷あとが残るリスクもあるので、クールダウンが終わるまで待った方が安全です。
乾燥の途中で取り出したい場合は、回転が止まるまで待ちましょう。乾燥機のボタンを押して運転を止めるタイプと、ドアを開けると自動で停止するタイプがあるので、操作方法を確認してから取り出すのがおすすめです。
乾燥機の温度設定は3段階
乾燥機の機種によっては、温度の変更が可能です。洗濯物の種類によって温度を変えることで、傷みやシワを防げるでしょう。それぞれの温度設定に適した衣類は、次の通りです。
- 高温:布団類
- 中温:日常使いの衣類
- 低温:肌着類
高温:布団類
高温は、70〜80℃の温風が出る設定です。次のような、分厚く乾きにくいものを乾燥するのに適しています。
- 掛け布団
- 敷布団
- 羽毛布団
- 毛布
- こたつ布団
上記のように、乾きにくい衣類を乾燥機で乾かす場合は、1時間ほど必要です。寝具類にはダニが繁殖しやすいので、定期的に乾燥すると、清潔に保てるでしょう。
逆に、高温設定は一般的な衣類や、肌着類の乾燥には向きません。強力で早く乾く分、衣類が縮んだりシワがよったりします。また、型崩れしやすい素材や、デリケートな素材の乾燥にも不向きです。
乾燥機の設定によっては、初期状態が「高温」になっているケースもあります。乾燥を始める前に、温度設定をチェックするとよいでしょう。
中温:日常使いの衣類
中温では、約60〜70℃の温風が出ます。下記のような、一般的な衣類を乾燥する際は、中温設定がおすすめです。
- Tシャツ
- ワイシャツ
- トレーナー
- ズボン類
- 仕事用の作業着
日常的に着る衣類でも、高温で乾燥すると傷みます。中温であれば、ダメージを抑えつつ短時間で乾燥できるでしょう。
雨で洗濯物が干せないときや、花粉症・黄砂・PM2.5などによる健康被害を避けたいときも、乾燥機を頼ってみてください。自宅で洗濯してコインランドリーに持っていけば、費用も節約できます。
洗濯物がたまっているときも、コインランドリーで一気に洗うのがおすすめです。ただし、一度に多くの洗濯物を詰めすぎると温風が行きわたらないので、洗濯物が多いときは複数台に分けて乾燥しましょう。
低温:肌着類
低温乾燥は50〜60℃の温風が出るため、デリケートな素材の乾燥に適しています。次のような衣類は、低温で乾燥しましょう。
- 下着類
- 靴下・ストッキング
- 化学繊維類
- フリース
- ジャンパー
デリケートな素材を高温・中温で乾燥すると、型崩れしたり縮んだりして、着られなくなるリスクがあります。下着類や靴下類など、肌触りのよい素材は熱に弱い傾向があるので、低温で乾燥しましょう。
また、フリースやジャンパーも熱に弱くなっています。普段使いの洋服として扱いがちなので、洗濯する際に分けておくと安心です。
コインランドリーで乾燥機を使う際の注意点3選
コインランドリーの乾燥機を使う際は、次のポイントに注意しましょう。
- 洗濯表示を確認する
- 乾燥禁止の洗濯物がある
- 洗濯ネットは使わない
洗濯表示を確認する
洗濯や乾燥をする前には、衣類の洗濯表示をチェックしましょう。洗濯機や乾燥機が使えるか、温度や洗い方はどのようにすればよいかが記載されています。
乾燥機に関係する洗濯マークは、「高温乾燥可」「低温乾燥可」「乾燥禁止」の3種類です。各マークを、次にまとめました。
コインランドリー対応 | マーク | 名称 |
可能 | ![]() |
高温乾燥可(最高80℃) |
![]() |
低温乾燥可(最高60℃) | |
不可 | ![]() |
乾燥禁止 |
乾燥禁止マークがついた衣類は、乾燥機に入れてはいけません。コインランドリーで洗濯した後、そのまま持ち帰りましょう。誤って乾燥機に入れた場合は、乾燥機の運転を停止してから、乾燥禁止の衣類を取り出してください。
また、乾燥できる衣類でも、低温乾燥可マークのついたものには要注意です。乾燥機の初期設定は「高温」になっている場合が多いため、乾燥前に温度設定を変更しましょう。
乾燥禁止の洗濯物がある
コインランドリーでは、次のような洗濯物の洗濯・乾燥が原則禁止されています。
- 汚物のついたもの
- ペット用品
- 油・油汚れのついたもの
乾燥機に入れると危険なのが、油汚れです。高温の温風が油汚れに当たると、発火する恐れがあります。サラダ油やオリーブオイルなどの食用油、アロマオイルのような美容オイルが染み込んだものは、乾燥機に入れないよう注意してください。
実際に、エステで使用したタオル・衣類を乾燥した結果、乾燥機から発火した事例もあります。乾燥中はもちろん、乾燥後に放置していた場合も、酸化反応で発火するため危険です。油汚れのついたものは、乾燥せずに持ち帰りましょう。
また、店舗によっては枕やぬいぐるみの乾燥も禁止されています。乾燥中に生地が裂けるケースもあるため、禁止されている店舗での乾燥は避けましょう。
洗濯ネットは使わない
乾燥機では、基本的に洗濯ネットが使えません。洗濯をする際、色落ちや型崩れしやすい衣類は、洗濯ネットに入れる必要があります。コインランドリーの洗濯機でも、家庭用洗濯機と同じく、洗濯ネットは利用可能です。
しかし、乾燥機に洗濯ネットを入れると、溶けたり発火したりするリスクがあります。多くの洗濯ネットは、熱に弱い化学繊維製です。また、乾きムラもできやすくなります。
乾燥機を使う際は、洗濯ネットを外しておきましょう。洗濯機の前でネットの取り外しを行うと邪魔になるので、コインランドリー店舗の机を使うのがおすすめです。見られたくない下着類のようなものは、ネットを外さずに持ち帰りましょう。
洗濯機・乾燥機の待ち時間
コインランドリーの待ち時間目安は、次の通りです。
洗濯物の種類 | 所要時間 |
衣類 | 5~60分 |
毛布 | 60~70分 |
掛け布団 | 80~90分 |
こたつ布団 | 90~110分 |
羽毛布団 | 100~110分 |
カーペット | 80~90分 |
靴 | 40~60分 |
詳しい時間を、次の場合に分けて解説します。
コインランドリーの所要時間は、別記事で詳しく解説しています。気になる方は、あわせてチェックしてみましょう。
関連記事:コインランドリーの所要時間はどのくらい?待ち時間の過ごし方も解説
洗濯機
洗濯機の待ち時間は、洗濯物の種類によって異なります。コース洗濯のない洗濯機の洗濯時間は、30分に設定されている機種がほとんどです。毛布コースや布団コースなど、大きいものを洗濯したい場合は、コース選択機能のついた洗濯乾燥機を利用するとよいでしょう。
毛布や布団など、大きいものを洗濯する際は、洗濯時間も長くなります。洗濯物の大きさによっては、1時間程度かかることもあるでしょう。
洗濯が終わったら、洗濯物を取り出して、乾燥機に移す時間も必要です。しかし、洗濯乾燥機なら、入れ替えの手間がなくなります。長時間店舗を離れたい場合や、入れ替えが面倒な場合は、洗濯乾燥機を選びましょう。
乾燥機
日常的な衣類なら30~40分、毛布や掛け布団なら40〜50分必要です。敷布団やこたつ布団の乾燥には、1時間以上かかることもあります。
毛布や布団など、分厚いものを乾燥する際は、途中で取り出して裏返すのがおすすめです。裏面には温風が届きにくいので、裏返すことで全体がまんべんなく乾きます。ただし、取り出す際は洗濯物が熱くなっていないか注意しましょう。
乾燥機は、100円につき8〜10分ほど乾燥できるシステムです。洗濯物の種類に合わせて、必要な分だけ料金を入れると、熱によるダメージを抑えられます。乾燥が終わって、乾きが足りないと感じたら、100円ずつ足していくのがおすすめです。
順番待ちがある場合
コインランドリーの店舗が混雑していると、洗濯機や乾燥機が空くまで順番待ちが必要です。運が悪いと、所要時間の分待つことになるでしょう。混雑時に利用する際は、30分~1時間程度待つことを念頭に置き、余裕を持って店舗に行きましょう。
もし、コインランドリー店舗に「取り出してOK」という旨の掲示物があれば、洗濯や乾燥が終わっている洗濯物を取り出しても構いません。ただし、他の利用者とトラブルになる恐れもあるため、戻ってくるのを待った方がよいかもしれません。
コインランドリーの待ち時間を過ごす2つの方法
クールダウン中や、洗濯・乾燥の間は、次のように過ごしましょう。
- 店舗で待つ
- 店外で過ごす
待ち時間の過ごし方は、次の記事でも解説しています。
関連記事:コインランドリーの待ち時間は?おすすめの過ごし方や短縮のコツを紹介
店舗で待つ
クールダウンは10分程度で終わるため、店舗で待つのがおすすめです。手持ちのスマートフォンを利用して、インターネットサーフィンやゲーム、読書などをしながら待つとよいでしょう。
ただし、コインランドリー店舗での通話はマナー違反です。動画や音楽など、音の出るコンテンツを楽しむ場合は、イヤホンを使いましょう。
加えて、机を使うのもNGです。洗濯物をたたむ方の迷惑になるので、洗濯以外の使用は避けましょう。
店外で過ごす
本格的に洗濯や乾燥をする場合は、30分〜1時間ほど必要です。長丁場になる場合は、店外に出ても構いません。カフェに行ったり、買い物を済ませたりすると、時間を有効に使えます。
ただし、洗濯機や乾燥機を利用する場合は、運転が終わる前に戻りましょう。洗濯物の放置は、マナー違反です。また、乾燥機によってはシワ防止を目的とした運転が始まることもあるので、早めに戻りましょう。
まとめ:乾燥機のクールダウンを待って洗濯物を安全に取り出そう
乾燥機に表示されるcdとは、クールダウンのことです。ガス乾燥機内の温度は、最大で80℃になるので、洗濯物を取り出す前に冷ます必要があります。クールダウンの表記が出ているときは、洗濯物が熱いので、運転が終わるまで待ちましょう。
また、クールダウンの所要時間は10分程度です。スマートフォンを利用していれば、ストレスなく待てる時間でしょう。クールダウン終了前に洗濯物を取り出すと、やけどをするリスクがあるため、最後まで待つと安全に利用できます。