コインランドリーの乾燥機は業務用なので、洗濯物が天日干ししたようにカラッと乾きます。しかし、熱風の温度や勢いの強さから、乾燥機に入れてはいけないものも少なくありません。もし入れてしまった場合は、お気に入りの衣類が台無しになってしまうでしょう。
本記事では、コインランドリーの乾燥機・洗濯機に入れてはいけないものをご紹介します。乾燥してはダメなものを見分けられる「洗濯マーク」の見方も解説しているので、コインランドリーで洗濯する前に確認してみてください。
コインランドリーの乾燥機に入れてはダメなもの7選
次に紹介するものを、コインランドリーに入れてはいけません。コインランドリー店舗に設置されている専用の洗濯機を使うか、クリーニングに出しましょう。
- シルク・ウールなどデリケートな素材
- ダウンジャケットのような厚手のもの
- 肌着・下着など伸縮性の高い素材
- フリースのようなやわらかい素材
- 飾り・刺繍のついた衣類
- 油汚れのついたもの
- 靴
シルク・ウールなどデリケートな素材
綿や麻、絹といったデリケートな素材の衣類は、コインランドリーでの乾燥に向きません。乾燥機の熱に弱いため、不用意に洗濯すると縮んでしまいます。症状がひどい場合は、素材が劣化して着られなくなることもあるでしょう。ふわふわとした手触りも失われ、ゴワゴワになります。
また、シルク・ウール・リネンのような天然素材は、水に弱いことも少なくありません。誤って洗濯機・乾燥機に入れた場合は、すぐに運転を止めて取り出しましょう。
ダウンジャケットのような厚手のもの
ダウンジャケットのような厚手の衣類や、大きいサイズの布団・毛布は、乾燥機に入れても乾ききらない場合があります。とくに、ダウンジャケットを乾燥機で乾かすと、生地の傷みや縮みができるため、おすすめできません。
しかし、近年の洗濯乾燥機はダウンジャケットの洗濯に対応したり、布団を洗える大きいサイズになっていたりします。自宅から行けるコインランドリーに、このような洗濯乾燥機が置いてあるか、調べるとよいでしょう。
肌着・下着など伸縮性の高い素材
肌着や下着などの素材は、伸縮性に優れる代わりに、熱に弱くなっています。乾燥機で高温や強い風に当てると、伸縮性が失われたり、型崩れしたりするでしょう。女性用の下着は、とくに型崩れしやすいため、自宅での洗濯・乾燥をおすすめします。
もし乾燥機に入れてしまった場合は、すぐに運転を中止してください。自宅で手洗いしたり、陰干ししたりすると、型崩れしません。手間を省きたい場合は、洗濯機のデリケートコースのような、優しく洗えるモードを活用しましょう。
フリースのようなやわらかい素材
フリース製の衣類を乾燥機に入れると、毛足がゴワゴワになり、肌さわりが悪くなります。フリースは摩擦に弱く、毛玉ができやすい素材です。また、乾燥機で高速回転させると、静電気が起こるため、全体的に毛羽立ちます。
コインランドリーでフリースを洗う際は、洗濯機のみ利用しましょう。また、脱水も控えめにして、摩擦を起こさないよう注意してください。
飾り・刺繍のついた衣類
次のような飾りがついた服は、乾燥機には向いていません。
- ビジュー(装飾)
- 特殊な染料
- プリント
- アップリケ
- 刺繍
乾燥している途中で、装飾が引っかかったり、取れたりします。生地がデリケートな素材になっているケースも多いので、コインランドリーでの洗濯・乾燥はおすすめしません。
また、プリントやアップリケのついた服も、熱や摩擦でダメージを受けます。洗濯する際は、自宅でネットに入れるとよいでしょう。
油汚れのついたもの
油汚れのついた衣類を乾燥機に入れると、発火したり、火災が起きたりする恐れがあります。油分のついた洗濯物は、たとえ洗濯後であっても、乾燥機に入れないよう注意してください。
乾燥機の中は、60〜80℃の高温になるため、油の酸化が急速に進みます。このような状態の油は酸化熱を発するため、乾燥機の内部がさらに高温になり、発火に至るのです。
事故の原因とならないよう、乾燥機には油汚れを入れないようにしましょう。
靴
濡れた靴を乾燥機で乾かすのは、マナー違反です。靴専用の洗濯乾燥機「スニーカーランドリー」を使いましょう。
スニーカーランドリーは靴専用の洗濯機で、ドラム内部にブラシが設置されています。ドラムが回転するとブラシが靴に触れるため、手洗いのようにキレイな仕上がりになる仕組みです。
また、乾燥機はドラム式でなく、靴を干すためのハンガーがついたものになります。約20〜40分で、天日干ししたように乾くでしょう。
関連記事:コインランドリーで靴が洗濯・乾燥できる!使い方や注意点を解説
コインランドリーで洗濯できないもの6選
コインランドリーで洗濯できないものは、次の6つです。
- 防水加工のある衣類
- 型のある帽子
- 革製品
- キルティング加工のない布団
- 座布団・ぬいぐるみ
- 汚れのついたもの・ペット用品
防水加工のある衣類
防水加工のあるアウターやシートを、洗濯機に入れるのは避けましょう。洗濯すると防水機能を損なうリスクがあるほか、洗濯機本体の故障にもつながります。
洗濯機に防水機能がある衣類を入れると、脱水の際に排水穴が塞がるため、排水ができない場合があります。洗濯槽に大量の水がたまったまま回転し続けると、本体が異常振動を起こし危険です。
防水加工つきの衣類は、原則手洗いで洗濯しましょう。バケツにぬるま湯を入れ、中性洗剤で汚れを落としてください。
型のある帽子
キャップやハット、麦わら帽子など、型のある帽子はコインランドリーで洗濯できません。型崩れを起こすため、手洗いしたり、濡れタオルで拭いたりする程度にしましょう。また飾りつきの帽子や、ゴムが使われている帽子も、洗濯機・乾燥機を使うのは避けてください。
ただし、ニット帽のような、やわらかく折りたたんでも問題ない帽子なら、コインランドリーで洗濯できることもあります。洗濯表示を見て、洗濯機や乾燥機に対応しているか確認しましょう。
革製品
ライダースジャケットやレザーパンツなど、革製の衣類は洗濯機に適していません。一般的に、革製の衣類を洗濯機に入れることは、あまりないでしょう。しかし、ポケットの革財布やキーケースを出し忘れて、そのまま洗濯するリスクはあります。
革製品は水に弱く、洗濯機に入れるとパリパリになります。特有の手触りも失われるため、洗濯前にポケットの中身を確認し、財布やキーケースを取り出すのがおすすめです。
近年では、革専用の洗剤を使うことで、革製品を自宅の洗濯機で洗えるようになるケースもあります。
キルティング加工のない布団
キルティング加工のない布団は、洗濯するのにひと手間かける必要があります。そのまま洗濯すると、中綿が移動して型崩れを起こすため、縛ったりネットに入れたりしてから洗いましょう。
キルティング加工とは、布団の表布・裏布・中綿が、糸で縫い合わせられた構造のことです。このような構造の布団は、中綿がずれないため、コインランドリーの洗濯機で丸ごと洗えます。
関連記事:敷布団のコインランドリーでの洗い方は?料金やメリットも解説
座布団・ぬいぐるみ
座布団やぬいぐるみなど、中綿がつまったものは、コインランドリーの洗濯・乾燥に向きません。中綿が偏って型崩れを起こすため、洗濯後に変形してしまう可能性があります。
座布団やぬいぐるみを洗いたい場合は、コインランドリーで洗濯するよりも、クリーニングに出すのがおすすめです。また、自宅で手洗いして、陰干しすることもできます。
近年では、座布団やクッション、ぬいぐるみに特化したクリーニング専門店も出てきました。とくに、ぬいぐるみを補修した上でキレイにしてくれる、ぬいぐるみ専門クリーニング店が増えています。
汚れのついたもの・ペット用品
泥や汚物がついた洗濯物や、ペット用品をコインランドリーで洗濯するのは、公衆衛生に反する行為です。洗濯物の汚れをよく落としてから、コインランドリーに持ち込みましょう。
また、ペット用品の洗濯も避けてください。汚物が他の洗濯物に付着したり、毛が洗濯機に絡まって故障したりするためです。トラブルが続いたためか、厚生労働省・保健所も「コインオペレーションクリーニング営業施設の衛生措置等指導要綱」を制定し、ペット用品の洗濯禁止を呼びかけています。
洗濯機が故障したり、損害賠償を請求されたりするケースもあるので、コインランドリーでペット用品を洗濯するのは避けるべきです。ただし、店舗によっては、ペット用品専用の洗濯機を設置していることもあります。
コインランドリーで洗濯・乾燥できないものを見分ける方法
コインランドリーで洗濯・乾燥できないものを見分ける際は、洗濯表示を見てください。
洗濯表示のマークは、2016年に新しくなっているため、見たことのないマークに混乱する場合もあるでしょう。以前のマークに慣れた方は、本記事で紹介する新しいマークを確認するのがおすすめです。
乾燥できないもののマーク
乾燥機使用に関するマークは、次の3つがあります。各マークの意味と、乾燥機への対応可否を、表にまとめました。
コインランドリー対応 | マーク | 名称 |
可能 | 高温乾燥可(最高80℃) | |
低温乾燥可(最高60℃) | ||
不可 | 乾燥禁止 |
「乾燥禁止」マークがついた衣類は、熱に弱い素材が使われています。乾燥機が使えないため、コインランドリーで洗濯しても、濡れたまま自宅に持ち帰りましょう。
乾燥機に入れられるのは、「高温乾燥可」「低温乾燥可」のマークがついた衣類のみです。ただし、「低温乾燥可」で利用できる温度は、60℃以下になります。乾燥機を利用する際は、運転前に温度設定を下げましょう。
洗濯できないもののマーク
コインランドリーで洗濯できるもの・できないものには、次のようなマークがつけられます。
コインランドリー対応 | マーク | 名称 |
可能 | 40℃の湯で洗濯可 | |
不可 | 手洗い可 | |
洗濯禁止 |
「洗濯可能」の表示がついた衣類は、コインランドリーでの洗濯が可能です。マークに書かれた数字は使える湯の温度、線は洗いの強さを示します。線が1本の衣類は弱い処理、2本ならきわめて弱い処理であれば、洗濯機を使えます。
一方、「手洗い可」「洗濯禁止」のマークがついた衣類は、コインランドリーで洗濯できません。「手洗い可」の衣類であれば、手洗いや、洗濯機の手洗いモードを使って洗えます。
乾燥できない服を入れたときに起こる4つのこと
乾燥器に乾燥できない衣類を入れると、次のようなリスクがあります。
- 縮む・型崩れする
- 毛羽立つ
- 装飾品が壊れる
- タンブラー乾燥機が故障する
縮む・型崩れする
熱に弱い衣類を乾燥機に入れると、素材が縮んで、型崩れの原因になります。乾燥機はドラムの内部から熱風を当てて、回転させる構造になっているため、熱に弱い繊維が傷つき縮んでしまいます。
ウールやシルクのような天然素材は、乾燥機で1〜2cm縮むことも珍しくありません。症状がひどい場合、着用が難しくなるので、乾燥機に入れるのは避けましょう。
毛羽立つ
フリースのような、ふわふわとした手触りの衣類は、乾燥機に入れると毛羽立ちます。ドラムで回転しながら熱風を当て続けるため、生地の表面がカサカサになるのです。さらに、ドラムの回転で静電気が起こると、毛玉の原因にもなります。
衣類の風合いを保ちたい場合は、乾燥機の利用を避けましょう。自宅で自然乾燥すると、毛羽立ちや毛玉を抑えられます。
装飾品が壊れる
衣類についたビーズ・ビジュー・プリントなどは、熱風に耐えられません。本体の衣類は無事でも、装飾品が破損したり、変形したりするリスクがあります。また、プリントのついた衣類を乾燥すると、剥がれやひび割れが起こるでしょう。
装飾品が多い衣類は、自分で洗うより、クリーニングに出した方が安全です。装飾品が外せるタイプの衣類であれば、外して洗濯しましょう。
タンブラー乾燥機が故障する
のり付けしてある衣類のような、溶けやすい素材を乾燥機に入れると、乾燥フィルターがつまる原因になります。のりの汚れは、ほこりと違って、簡単に取り除けません。乾燥機が故障しやすくなるため、乾燥できない衣類での使用を避けましょう。
また、ポケットにコイン・安全ピンなどが入ったままだと、故障しやすくなります。異物は水に溶けないため、ポケットの中身を取り出してから乾燥しましょう。
まとめ:乾燥機に入れてはダメなものを洗濯表示で見分けよう
コインランドリーの乾燥器は、高温の熱風と回転で、衣類を素早く乾かせます。しかし、熱に弱い衣類や、油汚れのついた衣類を入れると、故障の原因となり危険です。同様に、防水加工つきの衣類や、汚れのひどい衣類は、コインランドリーで洗濯できません。
コインランドリーで洗濯・乾燥を行う際は、衣類の洗濯表示を確認するのがおすすめです。また、公衆衛生にも配慮してください。ルールとマナーを守って、洗濯機・乾燥機を使いましょう。