トコジラミは洗濯だけでは死なない!エビデンスに基づくプロに頼らない駆除方法

近年、トコジラミ(ベッドバグ)の被害が日本国内外で急増しています。これらの害虫は一度家に持ち込まれると繁殖力が非常に強く、駆除が困難なことから、迅速かつ適切な対策が必要です。特に「洗濯でトコジラミを駆除できるかどうか?」という疑問については、多くの誤解が広がっています。家庭用の洗濯機や乾燥機での駆除効果が限定的である一方、コインランドリーの業務用乾燥機は、トコジラミを確実に死滅させる有効な手段です。

この記事では、トコジラミ駆除における洗濯と乾燥の有効性や限界について詳しく解説し、コインランドリーの高温乾燥機を利用するメリットを具体的なデータやエビデンスをもとに説明します。

この記事でわかること

  1. トコジラミは家庭の洗濯では完全に駆除できない理由
  2. コインランドリーの高温乾燥機がトコジラミ駆除に効果的な理由
  3. トコジラミの日本国内外での被害状況の現状
  4. 家庭でできるトコジラミ駆除方法の紹介
  5. 殺虫スプレーが効きにくい「スーパートコジラミ」の登場について

|1.トコジラミは洗濯で死なない!

多くの人が誤解している点は、「トコジラミを洗濯するだけで駆除できる」ということです。しかし、実際にはトコジラミは非常に耐久性の高い害虫で、家庭用の洗濯機での洗濯だけでは十分に駆除することができません。

理由1: 低温での生存能力

トコジラミが家庭用洗濯機で死なない理由の一つは、洗濯機の温度です。家庭用の洗濯機では、40〜50度程度の温水洗浄が一般的ですが、トコジラミは60度以上の高温でなければ死滅しません。アメリカの昆虫学専門誌によると、60℃以上の高温でトコジラミは20分間で完全に死滅することが確認されています(出典:Journal of Economic Entomology, 2010年)。

理由2: 洗濯機の水流だけでは不十分

さらに、洗濯機の水流や洗剤を使用しただけでは、トコジラミやその卵を物理的に除去することも難しいです。卵や幼虫は、布地の奥深くに入り込んでしまうため、強い水流でも除去できないことがあります。また、洗濯工程のみではトコジラミの致死率が低く、乾燥工程が欠かせないことが実証されています(出典:一般財団法人 日本環境衛生センター, 2024年)。

トコジラミ 洗濯死なない

|2.知っておきたいトコジラミの生態

トコジラミは繁殖力が非常に高く、駆除が困難です。彼らの生態を理解することで、より効果的な駆除対策を立てることができます。

昼間は隠れている

トコジラミは夜行性で、昼間は家具やベッドの隙間に隠れています。人間の体温や二酸化炭素を感知し、夜になると寝ている人の体に寄り付きます。そのため、刺されてもすぐには気づかないことが多く、被害が拡大することがあります。

繁殖速度が速い

トコジラミは一度に数十個の卵を産み、10日ほどで孵化します。成虫になるまでの期間が短いため、1ヶ月ほどで数百匹に増殖することがあります。このため、早期の発見と対応が重要です。

トコジラミ

|3.国内外でトコジラミの被害が拡大

日本国内外でトコジラミの被害が拡大しています。特に都市部や観光地での発生が増加しており、旅行者や引っ越しによってトコジラミが新たな場所に運ばれるケースが増えています。

日本国内の状況

日本国内では、2023年からトコジラミの発生が急増していると報告されています。特に東京や大阪などの大都市圏を中心に、ホテル、マンション、シェアハウスなどでの被害が目立っています。国立感染症研究所の最新データによると、2015年以降トコジラミの被害は緩やかに増加していましたが、2023年にはさらに急激に増加傾向を見せており、日本ペストコントロール協会もこれを裏付けています。

この増加の背景には、コロナ禍以降の観光業の復活が関係していると考えられています。国内外からの旅行者の増加や、特に海外旅行から持ち込まれるトコジラミによって、感染が広がりやすい状況が生まれています。ペストコントロール協会の報告では、2023年の夏には、特にホテルや宿泊施設での発生件数が前年の1.5倍に達したとの記録があり、今後もこの傾向は続くと予想されています。

また、**新型のトコジラミ(スーパートコジラミ)**が出現し、従来の殺虫剤が効きにくくなっていることも被害拡大の一因となっています。この耐性を持つトコジラミは、従来の駆除方法では効果が薄いため、より強力な対策や専門的な駆除が必要とされています。日本ペストコントロール協会では、家庭でできる駆除の限界を認識し、専門業者への依頼を推奨しています。

2023年から2024年にかけて、トコジラミの発生が都市部だけでなく、地方の観光地でも広がりを見せており、被害が一層深刻化しています。したがって、トコジラミの駆除や予防に対する迅速な対応が求められています。

トコジラミ_global

|4.家庭でできる駆除方法

トコジラミが発生した場合、まずは家庭でできる基本的な対策を講じることが重要です。ただし、トコジラミは非常に耐久力が高く、家庭用の方法だけでは完全に駆除できないことも多いため、プロフェッショナルな処理を検討する必要があります。ここでは、家庭で試せる基本的な駆除方法を紹介します。

60℃の高温洗濯・乾燥

家庭用の洗濯機でトコジラミを駆除する際には、60℃以上の高温で洗濯することが推奨されます。60℃以上の高温であれば、トコジラミの成虫や卵を死滅させることができますが、耐熱性のある素材を使用している衣類や寝具であることを確認してください。また、洗濯後には高温の乾燥工程を追加することで、さらに効果的な駆除が期待できます。
ドラム投入

スチームクリーニング

スチームクリーナー
洗濯できない家具やカーペットなどに対しては、スチームクリーナーが有効です。100℃以上の高温スチームを布製品や家具に当てることで、トコジラミの成虫や卵を物理的に死滅させることができます。特に、ベッドの縫い目や家具の隙間などに潜んでいるトコジラミに対して、スチームクリーニングは効果的です。

天日干し

トコジラミの駆除には、天日干しも有効な方法の一つです。トコジラミは高温に弱いため、真夏の炎天下に長時間さらすことで、成虫や卵を殺すことが可能です。特に、布団や枕など大型のアイテムを処理する際には、天日干しを併用することで駆除効果を高めることができます。ただし、トコジラミは隙間に入り込む習性があるため、直接日光が当たるように工夫する必要があります。
天日干し

殺虫スプレー

殺虫スプレー
トコジラミの駆除には、殺虫スプレーも一つの選択肢です。しかし、近年登場している「スーパートコジラミ」と呼ばれる薬剤耐性のトコジラミが増えており、通常の殺虫スプレーでは効果が薄くなっていることがあります。こうしたスーパートコジラミは、従来の殺虫剤では完全に駆除できないため、専門的な駆除業者に依頼するか、強力な薬剤を選ぶ必要があります。スプレーを使用する場合は、成分と使用方法をしっかり確認し、環境や人体に影響を与えないように注意が必要です。

|5.コインランドリーでの高温乾燥がおすすめな理由

トコジラミを駆除するには、高温による乾燥が非常に効果的です。特に、コインランドリーで使用される業務用ガス乾燥機では、高温での乾燥が可能であり、トコジラミやその卵を完全に死滅させることができます。

 

高温乾燥の効果

一般社団法人 日本コインランドリー連合会が発表した「コインランドリーで使用されている洗濯乾燥機/乾燥機によりトコジラミが死滅できるかの試験(試験実施期間:一般財団法人 日本環境衛生センター)」によると、洗濯工程のみの場合のトコジラミ致死率は36.7%にとどまったに対し、10分以上の乾燥工程が加わることで全てのトコジラミ成虫が致死することが確認されたとのデータがあります。

コインランドリーのガス乾燥機では、ドラム内部の温度が100℃近くに達し、10分間の乾燥工程でトコジラミを完全に死滅させることが可能です

次にコインランドリーでできるトコジラミ対策のおすすめ機器をご紹介します。

コイン式洗濯乾燥機

コインランドリーの洗濯乾燥機は洗濯後にすぐに乾燥工程に移行し、最低でも30分以上の高温乾燥を行います。

洗濯工程のみでのトコジラミの致死率は低いものの、乾燥工程を追加することで100%の駆除効果が得られます。

洗濯と乾燥をワンストップで行う機器で、最も利用が多い機器です。エレクトロラックス・プロフェッショナルの洗濯乾燥機はスピンシャワーウォッシュ洗浄や適温コントロール乾燥など、洗濯機と乾燥機のそれぞれ優れた機能を搭載しつつ、節水やエコ面にも配慮されています。「布団洗いコース」搭載機器であれば、敷布団・羽毛布団の洗濯と乾燥も可能です。※敷布団は敷布団専用乾燥機のご使用を推奨しております。

コイン式洗濯乾燥機(2024年モデル)

コイン式乾燥機

TD6-30
洗濯工程を省略して乾燥機のみを使用しても効果は十分です。トコジラミが発生した衣類や寝具を10分以上高温で乾燥することで、卵も含めたトコジラミを完全に死滅させることが可能です。

特に旅行後やトコジラミの発生が疑われる場合には、洗濯前であってもすぐにコインランドリーの乾燥機を使用することが効果的です。

エレクトロラックス・プロフェッショナルのコイン式乾燥機はガスバーナーをドラム背面に装備。温風を直接ドラム内に送り込むことで温風がドラムの外側に逃げることを最小限にとどめます。そのためドラム内温度を効率よく温めるころができ圧倒的な乾燥効率を実現します。

また新たにガス消費量を最適化。使用する熱量を調整することで過乾燥を防ぎながらご満足頂ける品質を実現しました。地球環境問題に配慮しながらコインランドリー経営にも貢献します。

コイン式乾燥機

|6.旅行前後のトコジラミ対策

トコジラミは旅行時にスーツケースや荷物に潜伏し、持ち帰ってしまうことがあります。以下の対策を講じることで、トコジラミの侵入を防ぐことができます。

  • スーツケースや荷物に潜むトコジラミの予防トコジラミが潜む可能性のある場所から荷物を離しておき、帰宅後すぐに高温乾燥を行います。
  • 旅行中の対策旅行先のホテルや宿泊施設で、トコジラミの痕跡を確認し、見つかった場合は別の部屋に移動するか対策を講じましょう。

スーツケース

|7.プロの駆除業者の役割

トコジラミの発生が広範囲に及んだ場合や、通常の駆除方法で効果が見られない場合、プロの害虫駆除業者に依頼することが必要です。専門の業者は、環境に配慮した薬剤を使用し、トコジラミの完全駆除を行います。費用についても事前に確認の上実施するようにしましょう。

害虫駆除

|8.よくある質問

トコジラミ洗濯に関するよくある質問をまとめました。

家庭用洗濯機でも60℃以上の高温設定がある場合、トコジラミの成虫を駆除することは可能です。ただし、卵や繊維の奥に潜んでいる幼虫を完全に除去するためには、洗濯後に高温の乾燥工程が必要です。

トコジラミが発生した場合、すぐにコインランドリーでの高温洗濯と乾燥を行うことが推奨されます。予防としても、定期的に布団やカーペットをコインランドリーで処理することで、トコジラミの発生を防ぐことができます。

トコジラミが発生した場合、洗濯物を他の場所に運ぶ際には、密閉できるビニール袋やジッパーバッグに入れて持ち運ぶことが推奨されます。こうすることで、移動中にトコジラミが広がるのを防ぎます。コインランドリーに着いたら、袋ごと洗濯機に入れず、袋から出してからすぐに高温洗濯を行いましょう。

ほとんどのコインランドリーは定期的に清掃・消毒されており、洗濯機や乾燥機自体で再びトコジラミが感染するリスクは非常に低いです。特に、業務用の高温乾燥機が使用されているコインランドリーでは、トコジラミが生き残ることはほぼありません。しかし、洗濯物を取り出した後、他の場所に置く際には清潔な場所を選び、慎重に扱うことが重要です。

トコジラミを防ぐためには、定期的な洗濯と高温乾燥のほか、外出先や旅行から帰宅後に衣類をすぐに洗濯することが有効です。また、古い家具や布団を持ち込む際には、事前に念入りにチェックし、トコジラミが潜んでいないか確認しましょう。旅行先での荷物はできるだけベッドから離して保管し、帰宅後は洗濯を徹底することも大切です。

|9.まとめ

トコジラミの駆除には、家庭用洗濯機だけでは不十分であり、特に乾燥工程が非常に重要です。コインランドリーの業務用機器を使用することで、家庭で処理できない高温洗濯と乾燥が可能となり、トコジラミの繁殖を効果的に抑えることができます。トコジラミが発生した際には、早急に適切な処理を行い、被害を最小限に抑えるために、コインランドリーの活用を検討してください。

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トコジラミは洗濯だけでは死なない!エビデンスに基づくプロに頼らない駆除方法 2024-09-17T05:56:18+00:00 Electrolux Professional