海に流出されるマイクロプラスチック、森林破壊、地球温暖化等、世界中で、こうした環境汚染に関する対策が活発に進行しています。
そんな中、スウェーデンはどの国よりもサスティナブルな仕組み作りに長けていると言えます。
スウェーデンでは2009年、次世代にサスティナブルなスウェーデンを目指す指標が設けられたバイブルが発表されており、2012年にはすでに始動しています。
そして、環境に対する教育も徹底されており、エコシステム、生物多様化などを義務教育で学んでいるのです。
そのため、国民の環境に対する意識が非常に高く、ファッション業界からごみ処理、またバイオベースの循環型経済を目指すなど、国民の意識が非常に高いと言えます。
新素材/H&M
2021年、H&Mでは服の素材に焦点を当てた「イノベーション・ストーリーズ」を発表しました。
「イノベーション・ストーリーズ」では、新素材として、多量のマイクロファイバーを排出してしまうポリエステルやアクリルに代わり、ヒマシ油を用いた糸や、サボテンから作られる植物由来のレザー、バイオファイバー(作物の廃棄物を織物用の繊維に変えたもの)などが使用されています。
また、漁網や使い古しのカーペットなどの廃棄物から再生されたナイロン繊維を利用することにより、天然資源の保護につなげています。
研究/エレクトロラックス・プロフェッショナル
化学繊維を洗濯するときに排出されるマイクロプラスチックがどのように自然に排出されているのかが明確になっておらず、繊維の洗濯過程でどのように関わっているのかも不明でした。
そのため、スウェーデンの研究機関や大学、H&M、IKEAなどの企業間で協力し、排出状況をマッピングするプロジェクトが2018年6月に開始されました。
エレクトロラックス・プロフェッショナルは、3年間このプロジェクトに参画し、将来的にマイクロプラスチックを排出しない服を作るために繊維業界に関する知識を身につけ、かつ排出量削減のために今できる解決策を見つけることを目標にしてきました。
現在同社では、2025年までにCo2排出量を少なくとも50%削減することを目標としており、資源を無駄に消費しない製品を開発、提供することを心掛けています。
ライフスタイル/IKEA
暮らしの中で、少し工夫するだけでエネルギーの消費を抑えられ、資源を無駄にせずに済むことがたくさんあります。
例えば、掃除機を「ほうき」にかえてみると、手間をかけることも騒音を気にすることもなく、夜でも少しの掃除を済ませることが可能になり、またエネルギーも節約できるのです。
IKEAの「アンヴェンドバールコレクション」では、暮らしがグリーンにシフトするアイテムを揃えています。
使用素材には、テラコッタ、ガラス、木材、綿布などの自然素材を使用しています。
また、パッケージにおいてもフェアウッド(違法伐採されていない木材)を選んでおり、環境への負担を減らすため、組み立て前の製品を隙間なく梱包する「フラットパック」方式をとっています。
フラットパックでの製品の輸送は一度にたくさん運べるため、ガソリンの消費を抑えられます。
世界中の企業が環境対策に乗り出している現在、スウェーデン企業はすでに研究を進め結果を出し、新製品を開発しています。
そして、世界最先端の環境対策は、すでに一般社会の中に浸透しています。
参考サイト
- マイクロプラスチック削減プロジェクトにエレクトロラックス・プロフェッショナルが参加(エレクトロラックス・プロフェッショナル ホームページ)
- H&Mが環境配慮型の新素材 サボテンレザーやヒマシ油のナイロン(WWD)
- イケアが環境負荷が低い生活用品を強化(サスティナブル・ブランド・ジャパン)
- エレクトロラックス・プロフェッショナルがサスティナビリティ活動目標(SDGs)を発表(PRTIIMES)